製薬会社について

臨床医から製薬会社への転職や働き方について

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今回は、

 

臨床医から製薬会社への転職や

 

その働き方について、ご紹介します。

 

 

 

 

今回、このテーマを取り上げた理由は、

 

私は10年以上MRをしているのですが、

 

今まで何度か臨床医の先生方から、

 

製薬会社のメディカルドクター職に興味が

 

あり、どのような職種か、どのような仕事内容か、

 

といったご質問を何度か頂いことが

 

あるからです。

 

 

 

 

また、昨日、実際の臨床医の先生から

 

ご連絡頂き、製薬会社での働き方等について、

 

ご質問頂きましたので、

 

製薬会社のメディカルドクター職について

 

ご紹介させて頂きます。

 

 

ご質問頂き有難うございます。

 

 

 

 

さて、実際、

 

外資系、内資系問わず、

 

製薬会社には、臨床医から転職されて

 

こられたメディカルドクターの方が、

 

決して多くはありませんが、

 

何名か在籍していることが多いです。

 

 

 

 

以前、私が勤務していた外資系製薬会社にも

 

メディカルドクターの方が数名おられました。

 

 

 

すべて臨床医からの転職で来られたわけではなく、

 

研究医出身の先生も何名かいらっしゃったと

 

記憶しています。

 

 

 

では、実際、製薬会社の

 

メディカルドクター職(医師免許が必要)は

 

どのような仕事内容なのでしょうか。

 

 

 

 

製薬会社のメディカルドクターとしての

 

仕事内容は、下記の3点のどれかがほとんどです。

 

 

 

 

【製薬会社のメディカルドクター職の仕事内容】

 

 

①臨床開発業務(臨床試験の実施関連業務、安全性情報の統括業務等)

 

②学術的業務(MA、MSL含む)

 

③マーケティング(プロマネ含む)

 

 

 

 

製薬会社のメディカルドクターとして、

 

多くの製薬会社では、上記3点のどれかの

 

業務をされていることがほとんです。

 

 

 

 

 

ただし、製薬会社によっては、

 

②の学術的業務と

 

③のマーケ業務を両方されているケースも

 

結構あります。

 

 

 

時には、①~③の業務すべて

 

されているケースがごく稀にですが、

 

あります。

 

 

 

 

したがって、

 

また、大きくわけますと、

 

製薬会社のメディカルドクターとしての

 

仕事内容は、

 

 

 

①臨床開発業務(新薬の臨床試験実施業務、安全性情報統括)

 

 

②学術 、マーケティング業務(新薬普及の戦略立案等)

 

 

 

のどちらかであることが多いです。

 

 

 

 

まず①の臨床開発業務では、

 

会社によって仕事内容は多少異なりますが、

 

主に新薬上市前(発売前)の新薬候補化合物の

 

治験(フェーズⅠ~フェーズⅢ)に携わり、

 

医学的観点から、臨床医経験を生かし、

 

新薬開発が上手く進むための

 

アドバイスやフォローをします。

 

 

 

また、会社によってはメディカルドクターが

 

安全性情報の統括業務をされている製薬会社も存在します。

 

 

この安全性業務は、治験中の新薬や

 

発売後の新薬の有害事象や副作用を管理し、

 

いかにこれらの発現(特に副作用)を最小限に抑え、

 

問題なく新薬の適正使用を進められるよう管理、

 

監修される仕事です。

 

 

そして、

 

この業務の中には、

 

新薬開発における臨床試験の

 

「安全性モニタリング」や「リクスマネジメント」、

 

そして、新薬発売後の「PMS」業務も含まれる

 

ことがあります。

 

 

 

 

 

一方、②③の学術、マーケティング業務は

 

①の臨床開発業務と比べ、

 

より現場に近い仕事内容です。

 

 

 

MRが関わることがある製薬会社のメディカルドクターは

 

この学術・マーケ業務をされているメディカルドクターの方と、

 

関わりがあるケースがほとんどです。

 

 

 

 

新薬上市直前や発売後の

 

新薬普及に向けての学術、マーケティング活動が

 

中心となります。

 

 

 

具体的には、

 

医学的観点や臨床医経験を生かした、

 

新薬普及に向けての戦略プランを立案し、

 

 

専門医の先生にはどのようなアプローチをすれば効果的か?

 

非専門医の先生へのアプローチ方法は?

 

どのような患者さんに、どのように使用してもらうのか?

 

他剤とどのように違うのか?(効果、副作用、相互作用等)

 

 

など、新薬拡販のために医学的知見を踏まえた

 

戦略を練り、社内や社外に発信する、

 

というような仕事です。

 

 

 

 

 

私が以前、所属していた外資系製薬会社の、

 

とあるメディカルドクター(臨床医出身)の方の

 

仕事内容は下記の内容でした。

 

 

 

1)新薬上市の戦略プランの立案

 

(いかにしてこの新薬を普及させるか、医学的なアプローチ方法は?どのように訴求すれば効果的か等)

 

 

 

2)全国のKOLドクターへのアプローチ

 

(新薬普及のため、全国的に著名な専門医の先生への直接アプローチ)

 

 

 

3)海外や国内の学会に参加し、内容を会社やMRにフィードバック

 

 

 

4)臨床試験(臨床医の先生方主導の臨床試験)のサポート

 

 

 

5)MRが使用する製品説明会スライドの作成や監修、宣伝用配布資料の作成や監修

 

 

6)現場のMRに同行(頻度は多くはなかったです)

 

 

7)MRへの製品や疾患の教育(MRへの教育は他の方がされるケースも多いです)

 

 

 

以上の仕事をされていました。

 

 

 

こう見ると、仕事内容が

 

結構多岐に渡っていますね・・・。

 

 

 

ただし、

 

このメディカルドクターの方は、

 

 

1)~4)の業務をメインにされており、

 

5)~7)  の業務はサブ的な業務でされていました。

 

 

 

 

ちなみに、そのメディカルドクターは、

 

もともとは、ある領域専門の臨床医であり、

 

その領域の新薬が発売する数年前(1年前だっかもしれません)に、

 

その製薬会社(私がかつて在籍していた)が、引き抜いて、

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製薬会社に転職されて来られた先生でした。

 

 

 

 

現在もその製薬会社にいらっしゃると聞いています。

 

 

 

そのメディカルドクターは、

 

社内での地位もかなり高く、とても優秀な方だったと

 

記憶しています。

 

 

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また、多くの製薬会社で、

 

メディカルドクターの地位はとても

 

高いと聞いています。

 

 

 

 

メディカルドクターの学術・マーケ的な仕事は

 

臨床開発の仕事より、現場に出ることが多く、

 

直接、全国の専門医の先生方と面会したり、

 

MRと同行する機会もあり、

 

会社にもよりますが、結構現場よりの

 

印象を持っています。

 

 

 

 

一方、

 

臨床開発職のメディカルドクターの仕事は

 

あまり現場に出ることは多くはなく、

 

本社(東京or大阪)勤務が多い印象を持っています。

 

 

現場のMRやMRを統括するマネジャーと

 

あまり接することはない印象です。

 

 

実際、

 

私も臨床開発業務をしているメディカルドクターの

 

方とは、同じ社内でも、ほとんどお会いしたことが

 

ありません。

 

 

治験中の新薬のことで、(私の担当先が治験施設)

 

メールやお電話をしたことなら数回、ありました。

 

 

 

 

したがって、

 

 

【製薬会社のメディカルドクター職】

 

 

①臨床開発業務(研究医出身が多い印象あり)

 

→臨床試験の実施に伴うアドバイスする

→治験中の新薬の安全性モニタリングをする

→治験中の新薬のリクスマネジメントをする

→新薬発売後のPMS業務の参画、監修

 

②学術的、マーケティング業務(臨床医出身が多い印象あり)

 

→新薬を学術的(医学的)視点からアドバイスする

→新薬をマーケティング視点からアドバイスする

→新薬のエビデンス構築作り(KOLマネジメント等)

→新薬の社内や社外情報提供(学会参加、資料作成等)

 

 

 

 

上記2点のどちらか一方の活動をされている

 

ことがほとんです。

 

 

個人的には、

 

臨床開発業務は研究医出身の先生が多い印象があり、

 

学術・マーケ業務は臨床医出身が多い印象を持っていますが、

 

もしからしたら、それは会社によるのかもしれません。

 

 

ただ私が在籍していた(いる)会社がそうだった

 

だけかもしれません・・・。

 

 

 

 

 

 

私は何度か臨床医の先生に、

 

製薬会社のメディカルドクターについて聞かれ、

 

興味を持っている旨のことを言われ、

 

私も仲の良い先生であり、ぜひ弊社にご紹介

 

したかったのですが、

 

結局、製薬会社には転職されず、

 

現在も臨床医をされています。

 

 

 

その先生方(5名ほど)に言われたのが、

 

 

①「製薬会社で働くのはセカンドキャリアとして考えたい。」

 

②「やっぱり臨床が好きだから、ずっと臨床に携わりたい。」

 

③「勤務地は、東京か大阪なの?そっか~それなら難しいかも。(とある地方にマイホームがある先生です)」

 

④「興味はあるけど、聞いてみただけ。」

 

⑤「実際、給料ってどのくらいなの?」

 

 

(当時、在籍していた製薬会社の、この記事の上記にも記載したメディカルドクターの方は、年収1200万~1500万くらいと聞いていましたので、一例をご参考までに、ご紹介させて頂きました。あくまで一例です。今はおそらく1500万以上かと思われます。各製薬会社や仕事の内容、役職等によって、変わると思われます。)

 

 

 

製薬会社の新薬開発や新薬普及のためには、

 

実際の患者さんに日々接していらっしゃる、

 

現場の臨床医の先生方のご意見やご助言が必要であり、

製薬会社だけでは、医学的、臨床的観点が

 

偏る傾向があり、私は限界があると感じています。

 

 

あくまで私の意見ですが・・・。

 

 

 

しかし、製薬会社への転職を検討されている臨床医の先生方は

 

少なからずいらっしゃいますが、

 

やはり製薬会社への転職は働き方等が見えにくいのか、

 

もしくは臨床に携わりたいという気持ちが強いのか、

 

はたまた、勤務地や給料面で不安があるのか、

 

実際に転職を検討されている臨床医の先生は

 

多くはないと感じています。

 

 

 

外資系製薬会社を中心に、

 

製薬会社は臨床医経験のある先生方を求めており、

 

特に最近は、がん領域や内科系領域、中枢神経系の

 

専門医や臨床医の先生方を求めるニーズが強い傾向があります。

 

 

 

がん領域や内科領域(循環器、内分泌代謝等)、中枢神経領域は

 

ここ数年、新薬の発売が相次いでおり、製薬会社として、

 

医学的アドバイザーとして、臨床医の先生を求める

 

ニーズが強い状況です。

 

 

 

この記事の上記でご紹介したメディカルドクターの方も

 

もともとは、とあるがん腫の臨床医の先生でした。

 

 

 

多くの製薬会社では

 

通常、沢山のメディカルドクターが在籍しているわけでは

 

ありませんが、

 

新薬開発が盛んな製薬会社を中心に

 

現在、製薬会社では、メディカルドクターの重要性が

 

ますます高くなっており、

 

今後、臨床医からメディカルドクターを

 

採用される企業がますます増えそうです。

 

 

 

製薬会社だけの一方的な視点ではなく、

 

実際の臨床を日々経験されている臨床医の

 

先生方の視点は、新薬開発や新薬普及に向けて、

 

欠かせない視点でもあると考えています。

 

 

 

製薬会社社員として、

 

製薬会社のメディカルドクターという職種に

 

より興味を持って頂けると嬉しいですね。

 

 

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コメント

    • とあるMD
    • 2017年 6月 12日

    ヒロ 様
    先日、臨床医から製薬業界への転職について、ご質問させて頂いた者です。
    早速のご回答誠にありがとうございました。
    製薬企業でのMDについて、とても詳しくご教示いただき、ありがとうございます。
    中々情報が少なく困っていたので、とても助かりました。
    おそらく、「臨床医 製薬」などのキーワードで検索をかける医学生や若手医師は一定数いると思いますので、この記事はその方々にとても役に立つと思います。
    現在、前向きに検討している段階です。
    リクルーターとも連絡を取る予定です。
    実際に転職が決まりましたら、再びご連絡いたします。
    その際は、どこかでお会いしてお礼できればなと思います。
    この度は情報提供誠にありがとうございました。

  1. とあるMD様
    コメント頂き有難うございます。
    この記事が何かしらのお役に立てば幸いでございます。
    また、ご質問やご不明点等何でもございましたら、
    いつでもご連絡頂けたらと存じます。
    製薬会社では、年々、メディカルドクターの存在価値や採用ニーズが高まっている状況です。
    特に外資系製薬会社では、新薬の開発や上市が進むにつれ、メディカルドクターを求める傾向が強く、
    特に、癌等の専門性が高い領域のニーズがより高い印象を持っています。
    また、メディカルドクターという職種に、ご興味をお持ちとのことで大変嬉しく思います。
    どこからでお会いする機会等ございましたら、その際は何卒宜しくお願い申し上げます。
    今後とも宜しくお願い申し上げます。
    ヒロ

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