製薬会社について

最近話題の新薬「オプジーボ」について  その2

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今回は、最近話題の新薬である、

 

「オプジーボ」の何がすごいのか、

 

について、ご紹介させて頂きます。

 

 

 

まず、

 

オプジーボの最大のメリットは、

 

「既存の抗がん剤より、明らかに効果が良い」ことです。

 

 

 

そんなの当たり前じゃないか!!

 

 

と思われるかもしれません。

 

 

 

ええ、当たり前なのですが、

 

実は、発売される新薬が必ずしも

 

既存の医薬品より効果が抜群に良いとは

 

限らないのです。

 

 

 

いや、そんなことないだろう、

 

とも思われるかもしれませんが、

 

発売されてきた新薬をみてみますと、

 

既存の医薬品とほとんど効果や副作用が変わらない

 

新薬も、実は結構多いのです。

 

 

 

 

その新薬の売上推移を見てみますと、

 

案の定、売上は伸び悩んでいます。

 

 

 

それもそのはず、

 

既存製品と大差がないのですから、

 

売上が伸びるはずがありません。

 

 

 

具体的な製品名は記載しませんが、

 

国内医薬品市場には、結構あります。

 

 

既存製品Aと新薬Bが大差がないことが・・・。

 

 

 

そんな中でも、

 

オプジーボは違います。

 

 

既存製品より、

 

明らかに効果が良いことが分かっています。

 

 

 

では、具体的に、

 

何を持って効果が良いことが

 

分かっているのでしょうか。

 

 

 

その判断基準は何でしょうか。

 

 

 

 

高血圧や糖尿病の薬でしたら、

 

「血圧」や「血糖値」を治療薬、

 

使用前と使用後で測定すれば、

 

その薬を使用することで、

 

どれだけ血圧を改善したか、血糖値を改善したか、

 

という、客観的な指標がありますので、

 

効果があったかどうかの判断が、

 

わかります。

 

 

 

では、オプジーボのような

 

抗がん剤はどうでしょうか。

 

 

抗がん剤が効果があったかどうか

 

を測定する指標はいくつかありますが、

 

一般的には、「OS」や「PFS」等で

 

判断します。

 

 

もちろんそれぞれの疾患の

 

がんにより、細かな効果判定の指標は存在します。

 

 

しかし、

 

抗がん剤に関しては、

 

一般的にですが、

 

「OS」や「PFS」で治療効果があったか

 

判断することが多いです。

 

 

 

では、「OS」とは何でしょうか。

 

 

「OS」とは、

 

「オーエス」または、

 

「overall survival」と呼ばれ、

 

日本語では「全生存期間」と訳されます。

 

 

 

使い方ですが、

 

例えば、

 

「抗がん剤Aを使用後の、OSは5年で85%です。」、

 

というような使い方をします。

 

 

 

要するに、「OS」とは、

 

抗がん剤Aを使用後、

 

生存期間がどのくらいの期間

 

だったのかを示しています。

 

 

 

 

全生存期間ですからね。

 

 

 

ただし、OSは、

 

抗がん剤Aを使用後の

 

すべての治療結果を含めた、

 

生存率です。

 

 

 

したがって、

 

抗がん剤Aがどの程度、

 

生存率に効果があったのか、

 

正確にはOSではわかりませんが、

 

結果として、抗がん剤A使用後、

 

生存率が伸びたということを

 

示しています。

 

 




 

 

 

他剤との比較では、

 

抗がん剤BのOSは5年で70%でしたが、

 

抗がん剤AではOSは5年で85%でした(生存率が伸びている)、

 

というような使い方をします。

 

 

要するに、上記の例では、

 

既存の抗がん剤Bよりも抗がん剤Aは、

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生存率が15%伸びたことになります。

 

 

ただし、結果としてということですけどね。

 

 

 

そこで、

 

抗がん剤そのものの効果を

 

判定する指標として、

 

「PFS」という指標が出てきました。

 

 

 

PESは昔からあった指標では

 

なく、ここ何年か前からは、

 

「PES」という指標が出てきました。

 

 

 

ただし、この「PFS」という指標は、

 

未だに議論がされている指標でもあります。

 

 

 

「PFSは客観性に欠ける」、という議論です。

 

 

 

OSの方が信頼できる客観性のある指標だとも

 

言われています。

 

 

 

なぜなら、

 

PFSは医師の主観が入ってしまうことが

 

あるからです。

 

 

そもそもPFSとは、

 

「progression free survival」と呼ばれ、

 

日本語訳では、「無増悪生存期間」と

 

訳されます。

 

 

要するに、

 

「(癌が増大することによって)癌によって、死亡するまでの期間」

 

のことです。

 

 

 

 

 

OSとの違いは、

 

OSは死亡する理由を問わず(抗がん剤の効果の有無もすべて含めて)、

 

生存率に入れていましたが、

 

PFSは、癌による死亡のみ、です。

 

 

ここがOSとPFSの違いです。

 

 

 

 

長くなりましたが、

 

抗がん剤の効果判定の代表的な

 

指標として「OS」と「PFS」を

 

挙げさせて頂きました。

 

 

 

そこでですが、

 

話を戻しますと、

 

「オプジーボ」を使用すると、

 

既存の抗がん剤よりどの程度、

 

OSやPFSが改善するのでしょうか。

 

 

 

2015年のASCO(米国臨床腫瘍学会)で発表された

 

データによりますと、

 

「非小細胞肺がん」の患者様を対象にした比較試験では、

 

既存の抗がん剤「タキソテール」(ドセタキセル)と

 

比べ、OSが有意差をもって、

 

オプジーボが改善したことが

 

報告されています。

 

 

OSを改善することって、

 

かなり難しいんです。

 

 

PFSは改善するけれども、

 

OSは有意差がなかったという報告(抗がん剤)は

 

実は結構多いのです。

 

 

 

肺癌は、

 

1)非扁平上皮がんと

 

2)扁平上皮がんの

 

2種類に分けられますが、

 

 

オプジーボは、

 

扁平上皮でも非扁平上皮でも

 

OSを有意差を持って、タキソテールより改善しました。

 

 

OSが3カ月ほど伸びていますね。

 

 

PFSは扁平上皮がんの方で

 

有意に改善していましたね。

 

 

 

ということで、

 

非小細胞肺癌にオプジーボを

 

使用すると、

 

既存の標準治療薬であった

 

「タキソテール」よりも有意に

 

生存率が上昇したのです。

 

 

 

これはオプジーボが

 

非小細胞肺癌のファーストライン(第一選択薬)に

 

なる可能性を秘めている、

 

と言えます。

 

 

世界の非小細胞肺癌の治療方針を

 

変える可能性がある、

 

オプジーボなのです。

 

 

これを日本の製薬会社が開発した、

 

というのは誇るべき事実です。

 

 

とういうことで、

 

長くなりましたが、

 

 

言いたかったのは、

 

 

オプジーボを使用すると

 

既存の治療より生存率が高まる可能性があること。

 

 

そして、オプジーボが世界の治療方針を

 

変える可能性のある新薬であること、です。

 

 

抗がん剤で生存率(OS)を既存の薬より

 

改善することはとても難しいことのです。

 

 

それを改善したオプジーボは

 

本当にすごい新薬です。

 

 

 

オプジーボはどんどん適応が拡大していますので、

 

今後に大いに期待ができる新薬です。

 

 

ぜひ日本発の新薬を、

 

世界中に広めてほしい感じています。

 

 

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コメント

    • keiji kosaka
    • 2016年 8月 12日

    興味深い記事ありがとうございます。
    オプジーボが既存薬と比較してOSが3か月伸びたことがすごいとのご意見でした。しかし、薬価が年間3500万円もかかって、OSが3か月しか伸びないと考えると、小生にはすごいとは思えないのですが。
    本当にOSは3か月しか伸びていないのでしょうか?
    それにもっとすごい効果が期待できないのでしょうか?(例えば、視点を変えて既存の抗がん剤と比較して副作用がほとんどない、とか。また、既存の抗がん剤が効果ない患者に対して、オプジーボは??%の確率で完治するとか・・・)

    • ヒロ
    • 2016年 8月 13日

    >keiji kosaka 様
    コメント頂き誠に有難うございます。
    また、このたびは、鋭いご指摘頂きまして、
    有難うございます。
    おっしゃる通りOS延長の有意差だけでは、オプジーボの
    使用意義が理解しにくいと思われます。
    私の説明不足でした。大変申し訳ありません。
    オプジーボのメリットは既存薬と比べて、OS延長の有意差があっただけではなく、他のメリットもいくつか存在します。
    次の記事で詳細を取り上げてみます。
    今後とも宜しくお願い申し上げます。
    ヒロ

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