ヤンセンファーマ社について

ヤンセンファーマ社の将来性について

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本日は、
ヤンセンファーマ社の将来性について、
私の独断と偏見でご紹介します。

まず、私のヤンセン社のイメージとしては、
CNS領域に昔から強く、いくつかの領域において、定期的に新薬を発売している製薬会社、
という印象を持っています。

また、ヤンセン社のMRに関しては、
これは私の偏見かもしれませんが、
MRの担当交代が非常に早い印象をもっています・・・。

他社MRが3~5年のスパンで担当交代をしている中、
ヤンセン社は1~2年だったり・・・。

もちろんエリアや領域によって違うと思いますし、
単に私の担当している(いた)エリアのヤンセンMRさんがそうだっただけかもしれませんが、
もしかしたら、変化の激しい会社なのかもしれませんね・・・。

まあ、私の気のせいかもしれませんが・・・。

さて、ヤンセン社と言えば、
昨年度(2017年度)、親会社のJ&J社がスイスのバイオベンチャーである、
アクテリオン社を買収したことが記憶に新しいかと思います。

アクテリオン社はスイス発のバイオベンチャーであり、
アクテリオン社と言えば、肺高血圧症治療薬である、
「トラクリア」(ボセンタン)、「オプスミット」(マシテンタン)、「ウプトラピ」(セレキシパグ)の3製品が有名な製品です。

肺高血圧症というオーファンドラッグを扱っているアクテリオン社は、
国内外で肺高血圧症領域のパイオニアな製薬企業です。

サノフィ社に買収されるかと思いきや、
J&J社に買収されましたね。

私のアクテリオン社のMRの印象としては、
バイオベンチャー企業ですが、あまり給料は高くない印象を持っています(笑)

他のバイオベンチャー企業が高すぎるだけかもしれません。

また、MRさんの担当交代の頻度も、ヤンセン社と同じく、早い印象です・・・。
担当交代が早いということは、何かしら分けがありそうですね・・・。

さて、
肺高血圧症でもグローバルリーダーと
なったヤンセン社ですが、
現在のヤンセン社の重点領域としては、5つあります。

「CNS」「免疫」「がん」「疼痛」「感染症」の5つですね。

特に、「CNS」領域には元々強く、
ヤンセン社といえば、昔からCNS領域で
有名な製薬企業です。

かの有名な抗精神病薬「ハロペリドール」を開発したことでも有名な企業です。

「ハロペリドール」は抗精神病領域では、知らない人はいない
とてもメジャーな製品ですが、ヤンセンファーマ社を創立したポール・ヤンセン博士が開発し、
当時(50年以上前の話ですが・・・)、一世風靡した医薬品です。

他の抗精神病薬としては、「リスパダール」(リスペリドン)、「コンサータ」(メチルフェニデート)、「インヴェガ」(パリペリドン)、トレドミン(ミルナシプラン)が有名な製品です。

アルツハイマー治療薬「レミニール」もヤンセン社の製品です。

また、
免疫(抗体医薬品)領域では、
かつて世界NO.1の売上を誇っていた「レミケード」(田辺三菱社販売、販売元J&J社)や
順調な売り上げを見せている関節リウマチや潰瘍性大腸炎治療薬の「シンポニー」、
全世界で3,000億円以上もの売上を誇る乾癬治療薬「ステラーラ」が好調です。

つい最近、2018年5月、乾癬治療薬であり、
こちらも抗体医薬品である「トレムフィア」が発売しました。
イムノロジー領域は次々と新薬が発売されていますね。

免疫領域は、ヤンセン社の得意分野といったところですね。

オンコロジー領域では、
血液がんである多発性骨髄腫治療薬の「ベルケイド」は国内外で広く浸透し、
固形がんである前立腺癌治療薬「ザイティガ」も好調であり、
最近では、昨年度(2017年)発売したモノクローナル抗体である、
多発性骨髄腫治療の新薬「ダラザレックス」(ダラツムマブ)が順調な兆しを見せています。

ということで、
現在のヤンセン社は、
オンコロジー領域やイムノロジー領域が順調ですが、
昔から得意としているCNS領域は、厳しい状況です。

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これといった特徴のあるCNSの新薬発売から遠ざかっており、
苦しい状況ですが、
期待のアルツハイマー治療薬の開発も現在進んでいいます。

経口BACE阻害薬という種類の新規作用機序のアルツハイマー治療です。

BACEはアルツハイマーを進行させる酵素の一種ですが、それを阻害することで
アルツハイマーの進行を抑制することが可能と言われています。

ここ数年、各社新規アルツハイマ―治療薬の開発が進められていますが、
軒並み失敗しており、この領域の製品開発は、暗澹とした空気が漂っています・・・。

期待されていたMSD社のBACE阻害薬やリリー社の抗アミロイドβ抗体が
フェーズ3で頓挫し、世界に大きな衝撃を与えました。

ヤンセン社のBACE阻害薬(Atabecestat)は、開発がフェーズⅡの段階ですが、
この開発品もどうなるか、わかりませんね・・・。

相変わらず開発がとても難しいアルツハイマー領域ですが、
なかなか新規の治療薬がないため、ぜひとも諦めず新規アルツハイマー治療薬の研究開発を
続けてほしいところです。

新薬開発こそが製薬会社の使命でもありますからね。

さて、
オンコロジー製品やイムノロジー製品がそこそこ好調なヤンセン社ですが、
今後、ヤンセン社のこれらの領域はどうでしょうか。

オンコロジー製品は大きくわけると、
固形がん製品の「ザイディガ」と、
血液がん製品の「ベルケイド」、「ダルザレクス」、「イムブルビカ」にわけられますが、

「ザイティガ」はすでにブロックバスターになっており、世界中で広く使用されている
前立腺がん治療薬です。

「ザイディガ」の主な競合品は、
アステラス社の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」ですね。

ただし、「ザイディガ」は、「イクスタンジ」もそうですが、
これから爆発的に売上が増える薬剤ではなく、現時点である程度普及している医薬品であり、
今後、微増が見込めるという薬剤です。

2017年度の全世界での売上高は、
「ザイディガ」が2300億円ほど、「イクスタンジ」が2700億円ほど、です。

どちらもかなり売れている製品であり、前年比が辛うじてプラスに
なっている状況こそが、すでに伸びきっている製品であることを
表しています。

血液がん領域を見てみますと、
多発性骨髄腫治療薬の「ベルケイド」はもはやMMでは10年以上使用されている薬剤であり、
今後はモノクローナル抗体の「ダルザレクス」に期待が高まります。

その他の領域として、
「疼痛」では「トラムセット」、
「感染症」では、「イトリゾール」がありますが、
これらも良い製品ですが、今から爆発的な売上は期待しにくいでしょう・・・。

C型肝炎治療薬もありますが、
発売時はまだ良かったものの、
ギリアド社やアッヴィ社のC型肝炎治療薬が発売してからは、
ギリアド社等に大きくシェアを奪われ、
今はあまり処方されていないですね・・・。

今後の開発パイプラインを見てみますと、
国内での開発状況は、適応追加を除けば、
オンコロジー領域では、固形がんである前立腺がん治療薬「アパルタミド」がフェーズⅢ、
CNS領域では、上記にも記載したアルツハイマー治療薬であり、新規作用機序のBACE阻害薬がフェーズⅡ/Ⅲ、治療抵抗性うつ病治療薬「エスケタミン」がフェーズⅢ、
という状況です。

新薬上市は、一旦、ひと段落した状況でしょうか。

ここ数年、ヤンセン社は新薬ラッシュでしたからね・・・。

ということで、
まとめます。

【ヤンセン社の将来性についてのまとめ】

① 現在の注力領域は、5つ(CNS、免疫、がん、疼痛、感染症)。

② CNS領域は、目立った新薬がなく、ここ数年、苦しい状況(そして今後も)。

③ しかし、免疫領域とがん領域は、そこそこ好調。

④ CNSの復活には、新規アルツハイマー治療薬とうつ病治療薬の開発次第。

⑤ 免疫とがん領域は、しばらく好調な見込み。

 

以上、私の独断と偏見で、
ヤンセンファーマ社の将来性について、記載してみました。

ご参考までに。

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コメント

    • 某内資系MR
    • 2018年 7月 23日

    質問にお答え頂き、ありがとうございました。
    おっしゃる通り、ヤンセン社は現在オンコと免疫(バイオ)が主たる稼ぎ頭といった状況ですね。特にオンコはこれからも期待できそうな製品もあり、伸びる余地がありそうです。
    免疫領域に関しては、シンポニーに続いて最近、ステラーラも田辺三菱製薬とのリバースコプロに販売スキームが変更になっており、この辺に会社としての意志が動いていそうです。より売り上げを最大化したいが人員をかけられない、増やしたくないヤンセン社と、ヤンセン社との関係を強化・ラインナップの拡充、売上UPを図りたい田辺三菱の思惑が一致したように思います。
    反対にヤンセンの屋台骨ともいうべきCNS領域は苦戦してますね。もともとCNSには強かったヤンセン社ですが、今では外部調査でも大塚、リリー、大日本住友、meijiの後塵を拝す結果も出ていると聞いたことがあります。
    新製品もしばらく出てくる予定はないようですし、レミニールはそれなりの売り上げをあげていますが、発売から年数もかなり経過しており、大幅な売り上げ増は難しそうです。ADHDのコンサータはいい薬剤だと思いますが、リリー社のストラテラに大きく水をあけられている状況です。統合失調症に関しても苦戦しているようです。

    製品力はピカ一の企業だとは思いますが、人として生き残っていくにはパフォーマンスを相当高いレベルで維持しないといけないなという印象です。

    • 某内資系MRさん

      コメント有難うございます。ご要望頂いたのに、遅くなり大変申し訳ございませんでした・・・。

      ここ何年かのヤンセン社は、組織変更が多いためか、人の入れ替わりが激しく、その都度体制や指示が変わり現場も困惑している、と聞いていますが、ご指摘の通り、オンコロジーやバイオは順調で、定期的に新薬を発売しており、とても開発力のある会社だと感じています。

      ただし、生き残りは厳しいらしく、転職してしまう方も多くいますね。

      ヤンセン社は、製品力や開発力は素晴らしいので、後は、人の定着率が課題となっているような気がします。

      外資系はなかなか厳しいですね・・・。

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