サノフィ社について

サノフィ社の将来性について

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今回は、
サノフィ社の将来性について、
私の独断と偏見にて、ご紹介させて頂きます。

サノフィ社と言えば、
フランスの大手外資系製薬会社ですね。

そして、サノフィ社と言えば、
糖尿病に強い製薬会社の1つです。

サノフィ社、ノボ社、リリー社の3社は、
インスリン製剤を扱っていることもあり、
糖尿病領域の御三家です。

サノフィ社のSU薬「アマリール」や長時間作用型インスリン製剤「ランタス」は、
莫大な売上を上げた製品です。

もちろん現在でもそれなりに使用されている薬剤ですが、
今ではすでに後発品が発売し、積極的に
プロモーションしている製品ではありませんが、
かつては、頻繁に処方されていた製品でした。

特に、インスリン製剤「ランタス」は、
糖尿病領域では知らない人はいない、
超ブロックバスター製品です。

2017年の全世界の「ランタス」の売上高は、
なんと1兆2600億円(前年比マイナスですが)ほど、で2017年度の段階では
世界で2番目に売れた医薬品です。

1番売れた製品(2017年度)は、アッビィ社の「ヒュミラ」(約2兆5000億円)です。

現在、「ランタス」の後継品である「ランタスXR」が発売されていますが、
この製剤は、既存の「ランタス」と同一成分ですが、
「ランタス」の濃度を3倍(100単位/mLから300単位/mL)にした製剤です。

濃度を高くすることにより、注射液量が少なくなり、
皮下の無晶性沈殿物の単位量あたりの表面積が小さくなります。

その結果、投与部位からの吸収がより緩やかになるため、
既存の「ランタス」より平坦で持続的な薬物動態および薬力学プロファイルとなり、
「ランタスXR」は「ランタス」よりも、24時間以上安定した血糖降下作用を示す製剤です。

「ランタスXR」は、日本では、2015年9月に発売され、
海外では、アメリカ、カナダ、欧州等ですでに発売されています。

現在、サノフィ社はこのランタスの後続品である「ランタスXR」に
注力して活動しています。

ここ最近は、「ランタスXR」以外にも、
GLP-1作動薬「リスキミア」やSGLT2阻害薬「アプルウェイ」にも注力しており、
数年前は、超速攻型インスリン製剤「アピドラ」にかなり
注力して活動していました。

糖尿病領域は、サノフィ社の全売上の25~30%ほどを占め、
今も昔も、サノフィ社の核となる領域の1つです。

ただし、かつてほどは、糖尿病に占める割合が
少なくなった印象です・・・。

「ランタスXR」はともかく、
「リスキミア」や「アプルウェイ」は超激戦区な上、
発売時期も数社発売した後の発売であり、かなり苦戦している状況です。

「アピドラ」も今から売上を上げられる製品ではなく、
「ランタスXR」頼みといった状況です。

また既存品の「ランタス」はすでに、2社からバイオシミラーが発売されており、
イーライリリー社の「ランタス」バイオシミラーはすでに、約40億円(2017年度)もの
売上を上げおり、IQVIA社(旧IMS社)の報告書によると、
国内の「ランタス」の約30%ほどはすでにバイオシミラーが使用されている、
と報告されています。

糖尿病に強いサノフィ社ですが、
インスリン製剤での大型品は、現時点では「ランタス」しかなく、
ノボ社やリリー社に比べると、ラインナップのさらなる強化が必要だと
考えられます。

サノフィ社の糖尿病領域は、かつては良かったものの、
今は苦しい時期なのかもしれません。

さて、サノフィ社と言えば、
当然、糖尿病だけでなく、
昔はオンコロジー(抗がん剤)にも強かったメーカーの
1つでした。

現在でも決してオンコロジー領域に
弱いわけではありませんが、
かつてほどの勢いは、サノフィ社のオンコロジー領域においては、
ないように感じます。

約20年前の1997年に発売されたケモ(化学療法)の抗がん剤「タキソテール」(ドセタキセル)は
とても有名な製品で、当時は世界的にかなりの売上を誇った製品です。

現在は「ワンタキソテール」という「タキソテール」(ドセタキセル)の濃度を
2倍した後続品が2011年に発売されており、数年前まではそちらに注力していましたが、
現在のサノフィ社のオンコロジー領域の主力製品は、
固形がんである、前立腺がん治療薬の「ジェブタナ」です。

こちらも分子標的薬ではなく、ケモですね。

また、サノフィ社は、2016年、希少疾患に強い、
「ジェンザイム」社を買収し、希少疾患や希少がんのラインナップや
開発パイプラインがさらに厚くなりました。

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加えて、バイオジェン社から分社化した血友病領域に強い「バイオベラティブ」社も
買収し、血液領域にもさらに厚みがかかるようになりました。

もちろん、サノフィ社と言えば、
糖尿病やオンコロジー製品だけでなく、
抗血小板薬「プラビックス」や抗アレルギー薬「アレグラ」、
入眠剤の「マイスリー」(アステラス社とコ・プロ)もサノフィ社の製品であり、
有名な製品ですが、糖尿病や循環器、アレルギー領域だけでは、
売上を上げるのに限界がありますし、これらの製品はすでに
ピークアウトしています。

私は、現時点では、ジェンザイム社やバイオべラティブ社の買収は
サノフィ社の現状から判断すれば、正しい判断だったのではないか、と考えています。

サノフィ社の売上No.1製品のランタスは、バイオシミラーの影響により、
売上は減少していく一方であり、GLP-1やSGLT2製剤は競合が激しくシェアを大きく獲得することが
困難であり、その他の糖尿病製剤で
大きくシェアを獲得できる製品は現時点ではない状況です。

今後のサノフィ社の糖尿病の開発パイプラインを見てみますと、
2つのインスリン製剤が現在、国内フェーズⅢです。

1つ目のインスリン製剤は、
リリー社の「ヒューマログ」のバイオシミラーです。

2つ目のインスリン製剤は、
超速攻型のインスリン製剤です。

サノフィ社は長時間作用型のインスリンには強い(ランタスがあります)のですが、
速攻型には弱く、現在、超速攻型インスリンを開発中です。
インスリンのラインナップを強化したい意向がありますね。

それ以外の糖尿病領域での開発品は、現在、国内ではなく、
しばらくは、「ランタスXR」「リスキミア」「アプルウェイ」で売上を上げていき、
開発中のインスリン製剤に繋げる予定、と考えられます。

そういった、
サノフィ社の得意領域である糖尿病領域での売上確保が困難になることを見据え、
ジェンザイムやバイオべラティブ買収により、
希少疾患やオンコロジーへ注力し売上を確保する戦略は正しく、
実際、これらの領域の製品の売上も順調に推移しており、
開発パイプラインもいくつかあります。

ファブリー病治療薬「ファブラザイム」、
ボンベ病治療薬「マイオザイム」、
多発性硬化症治療薬「レムトラダ」、
といった希少疾患治療薬は実伸率10%以上で伸びている製品です。

そして、
ここ最近のサノフィ社は新薬ラッシュです。

2016年9月には、
新規作用機序の抗PCSK9モノクローナル抗体である
高コレステロール血症治療薬「プラルエント」(アリロクマブ)を発売しました。

2018年2月には、
旭化成社とコ・プロしている抗体医薬品の関節リウマチ治療薬「ケブザラ」(サリルマブ)を発売し、
つい最近の2018年4月には、
抗体医薬品である新規作用機序のアトピー性皮膚炎治療薬「デュピクセント」(デュピルマブ)を上市しています。

高コレステロール血症治療薬「プラルエント」は、
薬価や投与方法等がいくつか課題があり、使いやすい薬剤には現時点ではなっておらず、
市場に浸透するにはもう少し時間がかかりそうです。

抗体医薬品である「ケブサラ」や「デュピクセント」は
海外でも順調にシェアを獲得している製品であり、
新規作用機序の薬剤ということもあり、かなり期待できそうな製品ですね。

そして、
サノフィ社の開発パイプラインの中で、
世界的に、最も注目を集めている製品は、
オンコロジー領域の、免疫チェックポイント阻害薬「セミプリマブ」です。

この免疫チェックポイント阻害薬は、
今となっては6番目の免疫チェックポイント阻害薬ですが、
最初の適応に注目が集まっています。

最初の適応が、
皮膚がんの一種である「有棘細胞癌」なのです。

これはどの免疫チェックポイント阻害薬もまだ適応を取得しておらず、
世界初の適応となるのではないか、と注目が集まっています。

これはとても良い判断だと考えられますし、
6番目ですから、通常に発売しただけではシェア確保は相当厳しく、
このような判断で臨床試験を進めているサノフィ社は、
さすがだと感じています。

以上、
サノフィ社の現状を踏まえ、
サノフィ社の将来性について、私の独断と偏見で記載してみました。

現在のサノフィ社は、
今まで得意としていた、糖尿病や循環器といったプライマリー領域への注力から、
希少疾患やオンコロジーといった、スペシャリティ領域へ上手くシフトしている
印象です。

今後が楽しみな企業ですね~。

ご参考までに。

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