ブリストル・マイヤーズスクイブ社について

ブリストル・マイヤーズスクイブ社の将来性について

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今回は、
ご要望頂いたこともあり、
ブリストル・マイヤーズスクイブ社の将来性について、
私の独断と偏見にて、ご紹介させて頂きます。

そもそもですが、
ブリストル・マイヤーズスクイブ社は
社名が長いですよね・・・。

なぜこのような社名かご存知ですか?
ブリストル・マイヤーズスクイブ社の社名には
創設に携わった3名の方の名前が入っています。

①ブリストルさん
②マイヤーズさん
③スクイブさん

の3名の名前が入っているのです。

もともとブリストル・マイヤーズスクイブ社は、
2つの会社が合併してできる製薬会社です。

①ブリストル・マイヤーズ社
②スクイブ社

の2社が合併して誕生した製薬会社です。

合併した当時(1989年)は、
世界第二の売上を誇る製薬会社でした。

ブリストルマイヤーズ社は、
抗がん剤等で有名な会社でした。

一方、スクイブ社は、
循環器領域で有名な会社でした。

循環器領域を担当している、
もしくは担当していたMRさんならご存知かもしれませんが、
高血圧治療薬のACE阻害薬の「カプトプリル」はスクイブ社が
開発した製品です。他の循環器製剤として、β遮断薬も扱っていました。

「カプトプリル」は発売時は、世界初のACE阻害薬だったのです。
実は、スクイブ社は「カプトプリル」で成長した製薬企業でもあるのです。

そんな循環器に強かった「スクイブ社」と
抗がん剤に強かった「ブリストル・マイヤーズ社」」が合併してできた製薬会社が
ブリストル・マイヤーズスクイブ社です。

そして、ブリストル・マイヤーズ社を創設したのが、
ブリストルさんとマイヤーズさんであり、

スクイブ社を創設したのが、スクイブさんです。

ということで、長くなりましたが、
ブリストル・マイヤーズスクイブは社名が長いため、
略して、BMSと呼ばれています。

以下、BMS社と記載します。

アストラゼネカ社をAZ社と記載することと同じことです。

さて、BMS社と言えば、もともと抗がん剤製品に強かった会社です。

抗がん剤である、
「タキソール」(パクリタキセル)、「ブリプラチン」(シスプラチン)、
「パラプラチン」(カルボプラチン)、「ベプシド」(エトポシド)はBMS社の製品であり、
とても有名な抗がん剤です。

今となっては上記製品はすべて後発品が発売されており、
先発品である上記製品が使用されることはほとんどなくなりましたが、
ブリストル社は、抗がん剤製品で一時代を築いてきた歴史がある会社です。

しかし、今は「抗がん剤のブリストル」と言われていた時代は終焉を迎え、
現在のブリストル社の主力領域は、もちろんがん領域の製品もありますが、
どちらかと言うと、循環器や免疫(関節リウマチ)、ウイルス疾患(肝炎、HIV)、
等のスペシャリストやプライマリー領域の製品を中心に売上を上げています。

ブリストル社もだいぶ変わりましたね・・・。

もちろん抗がん剤の新薬も発売していますが、
他社の抗がん剤のラインナップと比べると、どうしてもオンコロジー領域では
劣っている現状があります。

今、話題の「オプジーボ」も扱っていますが、
「オプジーボ」はもともと小野薬品社が開発研究していた製品であり、
途中からBMS社と共同開発していますが、「オプジーボ」の国内でのメインプロモーションは、
小野薬品社です。

とは言え、
もちろんBMS社も「オプジーボ」にはかなり力を入れ、プロモーションしています。

抗がん剤では、
「オプジーボ」を除きますと、
悪性黒色腫治療薬の「ヤーボイ」と血液がんの慢性骨髄性白血病治療薬「スプリセル」、
同じく血液がんの多発性骨髄腫治療薬「エムプリシティ」、の3製剤があります。

固形がん製品は、悪性黒色腫(メラノーマ)の「ヤーボイ」のみですね。
もうすぐ適応拡大し、腎細胞がんにも使用できるなる予定です。
ただし、「オプジーボ」との併用での使用ですけどね。

血液がん製品は、上記の「スプリセル」と昨年発売したばかりの「エムプリシティ」の2製品です。

「エムプリシティ」は順調に売上を伸ばしていますね。

一方、「ヤーボイ」は、
メラノーマでは国内ではかなり患者数が限られており、また効果に関しても、
他剤の製品でいくつか良い製品があり、苦戦している状況です。

慢性骨髄性白血病の「スプリセル」(2009年発売)は順調に売上を伸ばしていますが、
あと数年でピークアウトでしょう。

ということで、
ブリストル社の現在の抗がん剤製品を振り返ってみましたが、
昔と比べ充実している、とは言い難い状況ですね。

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オンコロジー(抗がん剤)領域に関しては、コ・プロの「オプジーボ」を除けば
ブリストル社は、厳しい状況が続くかもしれません。

また、ここ数年のブリストル社は、他の領域にかなり注力しており、
「循環器」、「免疫(関節リウマチ)」、「ウイルス性疾患(B型、C型肝炎)」の
3領域に注力しています。

グローバル(海外)では、数年前まで糖尿病領域にも力を入れていましたが、
2013年の12月に糖尿病事業をすべてアストラゼネカ社に売却しました。

糖尿病治療薬である、
DPP4阻害薬の「オングリザ」とSGLT2阻害薬の「フォシーガ」は
もともとブリストル社の開発品です。

売却した理由は、スペシャリティ領域に特化するため、です。

日本では4つの領域に特化していくと発表していますね。

①がん
②ウイルス性疾患(B型肝炎、C型肝炎、HIV)
③免疫(関節リウマチ等)
④循環器

の4領域です。

①のがん領域に関しては、上記にも記載した通り、
他社に比べると厳しい状況です・・・。

②のウイルス性疾患に関しては、
特別特徴のある新薬があるもしくは、
今後発売する予定があるわけではなく、
現状維持といったところでしょうか。
国内でのC型肝炎市場はすでにピークアウトを迎えており、あのギリアド社ですら、
苦戦している状況です・・・。
すでにC肝マーケットは縮小しています。
C型肝炎は、ギリアド社の新薬等により、今や薬で完治する時代となったため、
患者数が減っています。B型肝炎は、C型肝炎のように、薬剤で完治する疾患ではなく、
ウイルス量を抑えるため、薬を飲み続けなければならない疾患です。そのため薬剤ニーズは
ありますが、ブリストル社には、B型肝炎の新薬はない状況です。
ブリストル社のB型肝炎治療薬「バラクルード」も今となっては後発品が発売されています。

③の免疫領域に関しては、どうでしょうか。
関節リウマチ治療薬「オレンシア」がそこそこ好調ですが、
この領域(関節リウマチ)はとても競合品が多く、抜きん出ることはかなり困難を極めます。
「オレンシア」は生物学的製剤であり、T細胞活性化を抑制することで、抗炎症作用を示す珍しい薬剤です。そのため、他の自己免疫疾患等で適応追加の臨床試験が実施中です。

④の循環器領域は、「エリキュース」がありますね。「エリキュース」はいわゆる抗凝固薬です。
経口のXa阻害薬です。発売時は苦戦していましたが、最近では少しつづ売上が上がってきています。
良いエビデンスもいくつか発表され、今後少しつづ、伸びていきそうですね。

ということで、
国内のBMS社の現状と将来性を
ざっとですが、記載してみました。

4つの重点領域を簡単に振り返りますと、

①がん領域・・・厳しい、有望なのはMM(多発性骨髄腫)のみ
②ウイルス領域・・・苦戦、良い新薬がない
③免疫・・・ある意味一番順調かも
④循環器・・・今後少しづつ伸びる可能性あり

という感じです。

ちなみに、
私のブリストル社の印象としては、
人(MR)の入れ替わりが激しい印象を持っています・・・。

昔はそうではなかったみたいですが・・・。
そして、いかにも外資的な社風ですね。

ということで、
ブリストル社は、現在の製品ラインナップや製品力を見てみますと、
今までこのブログでご紹介した武田薬品社アステラス社ノバルティス社アストラゼネカ社と比べると、国内市場に限定した場合、やや製品ラインや製品力は、現時点では劣ると言わざるを得ない状況です。

国内での規模が違うので一概に比較はできませんが・・・。

既存製品である「オレンシア」と循環器の「エリキュース」、
多発性骨髄腫の「エムプロシティ」をどこまで伸ばせるか、によりそうです。

また、今後数年間の上市予定の製品ラインを見てみても、国内市場の上市品目は数も
少なく、適応追加等が中心となりそうです。

BMS社はグローバル展開している企業ですから、
海外で発売されている大型製品を日本で導入しただけでも新薬になりますから、
現時点と今後数年間は厳しい印象のあるBMS社ですが、
今後の将来性は、グローバルの方針にもよりそうです。

ということで、
ブリストル・マイヤーズスクイブ社の将来性
について、私の独断と偏見で語ってみました。

ご参考までに。

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コメント

    • 某内資系MR
    • 2017年 7月 22日

    BMSさんは完全に病院販路でのメーカーですね。
    卸やGPで見かけることはほぼありませんし、私自身、これまで延べ5回も見たことないかもしれません笑
    他の外資と同じく、人の入れ替わりは相当激しいと聞き及んでいますし、外資の中でも The・外資というイメージの企業ですね。

  1. 某内資系MRさん
    コメント有難うございます。
    BMS社は完全に病院販路ですね。
    卸さんではほとんど見かけないですし、病院中心に活動されていますね。
    ブリストル社、リリー社、ノボノルディスク社は、卸さんにはあまり訪問していない印象です。
    選択と集中を徹底されているのかもしれませんね。

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