リアルワールドデータ(RWD)について

製薬企業とリアルワールドデータ(RWD)の活用について

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本日は、
製薬企業と「リアルワールドデータ」(RWD)の活用について、
ご紹介させて頂きます。

ここ数年、「リアルワールドデータ」という言葉を
よく聞くようになりました。

製薬企業においても、
「リアルワールドデータ」の活用が日々議論されるように
なっています。

そもそも、

「リアルワールドデータ」とは、何のことでしょうか?

 

ちなみに、
「リアルワールドデータ」と
「リアルワールドエビデンス」は
ほとんど同じ意味です。

 

「リアルワールドデータ」のことを、
「リアルワールドエビデンス」といったりしますし、
その逆もあります。

 

さて、

 

では「リアルワールドデータ」とは、

 

どんなデータなのでしょうか。

 

 

 

 

「リアルワールドデータ」の対義語として、

 

臨床試験(治験)時のデータが挙げられます。

 

 

 

 

臨床試験(治験)データ ⇔ リアルワールドデータ(RWD)

 

 

といった感じで、

 

捉えると良いかもしれません。

 

 

 

 

ということで、簡単に説明しますと

 

リアルワールドデータとは、

 

「実臨床(実際の医療の現場)でのデータ(を集約させたデータ)」のことです。

 

 

 

 

 

EBM(医学的根拠)としては、

 

「臨床試験(治験)データ」の方が「RWD」よりも

 

ほとんどの場合、

 

エビデンスレベルが高いですが、

 

「実臨床データ」(RWD)はその「臨床試験(治験)データ」を補うことも

 

場合によってはできるデータです。

 

 

 

 

 

「臨床試験データ」は、

 

①厳密な患者背景、②試験デザイン(RCT等)、③試験期間、

 

④対照薬、等が細かく設定されており、

 

医学的根拠としての、エビデンスレベルは高い傾向にあります。

 

 

 

 

しかし、

 

「リアルワールドデータ」は、

 

実臨床(実際の医療の現場等)でのデータなので、

 

①症例数、②試験期間、③患者背景、④対照薬等、

 

試験背景に

 

どうしても限度があります。

 

 

 

限度がある、というよりかは、

 

各群を揃えることが困難といった方が良いかもしれません。

 

 

 

 

また、RWDは、試験によっては、

 

単一施設のみの試験であるケースもあり、

 

そうなるとどうしても揃えらる条件が

 

狭まってしまう傾向があります。

 

 

 

 

 

例えば、

 

症例数が少ない場合、

 

仮にn=5だった場合、

 

症例報告のようなケースになってしまうこともあり、

 

一般的にですが、

 

症例報告というのは、n数が少ないため、

 

エビデンスレベルは決して高くありません。

 

 

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もちろん、

 

希少疾患等ではどうしても症例が限れるため、

 

症例報告が多くなってしまうケース等はあるものの、

 

あくまで、一般的には、症例報告は、

 

信頼性の高いエビデンスとしては、

 

あまりみなされないわけです。

 

 

 

 

しかし、

 

「リアルワールドデータ」が

 

必ずしもエビデンスレベルが低いわけではなく、

 

試験によっては、「リアルワールドデータ」であっても

 

n=100例を対象とした試験もありますし、

 

海外ではn=1,000例を対象した試験もあります。

 

 

 

 

 

そのような大規模試験のデータは信頼性が高く、

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「臨床試験(治験)データ」を補うことのできる、

 

「リアルワールドデータ」と見なされることもあります。

 

 

 

 

 

したがって、

 

最近では、臨床試験(治験)時のみのデータでは

 

限りがあり、例えば、臨床試験(治験)時は

 

副作用として報告はされていたものの、

 

その薬剤が有意にある特有の副作用を増加させる

 

可能性があることを示唆していなかったとしても、

 

「リアルワールドデータ」では、症例数が多いこともあり(他の理由もあります)、

 

臨床試験(治験)時、有意に増加させるかよくわからなかった、

 

副作用が有意に増加することが判明したケースも実際に

 

あります。

 

 

 

 

それゆえに、最近では

 

製薬企業においても「リアルワールドデータ」の

 

活用方法が日々、議論されるようになっています。

 

 

 

 

 

しかし、我々MRにとっては、

 

原則、臨床試験(治験)時の、

 

承認された限られたデータを

 

プロモーションに使用することが認められていますが、

 

「リアルワールドデータ」については、

 

MRから提供できないデータが多く含まれていることが多いため、

 

MRが「リアルワールドデータ」を積極的に、顧客に

 

プロモーションすることは認められていません。

 

 

 

 

 

したがって、

 

製薬企業は、原則、MRではなく、MSLや問い合わせ等により、

 

「リアルワールドデータ」を提供するわけです。

 

 

 

 

ただし、

 

製薬企業によっては、

 

MSL等の部署がほとんどなく、

 

MRがMSLのような役割がある製薬企業がありますので、

 

もちろん例外はありますけどね・・・・。

 

 

 

 

 

ということで、

 

ここ数年、

 

製薬企業において、

 

「リアルワールドデータ」を活用する試みが

 

広まっているわけです。

 

 

 

 

現場の我々MRは正直、

 

臨床試験(治験)時の限られたデータでのみの

 

医薬品情報提供活動には限度があるのでは・・・、

 

と思っています・・・。

 

 

 

 

 

実際、ドクターや薬剤師さんからの問い合わせでも、

 

臨床試験(治験)のデータに載ってはいない、もしくは

 

臨床試験(治験)では実施していないデータでの

 

情報を求められることが非常に多いため、

 

「リアルワールドデータ」の活用が進めば、

 

先生方のニーズに答えられる情報提供が可能になる

 

機会が増えることができそうです。

 

 

 

 

 

 

医療の現場にとっても、

 

薬剤を使用するケースは多岐に渡っており、

 

臨床試験時のデータだけでは、

 

現場の医療に即した対応ができる機会も限定されます。

 

 

 

 

 

それゆえに、

 

実臨床のデータをベースにした

 

「リアルワールドデータ」の活用が普及すれば(現在、それなりには普及しているんですけどね・・・)

 

より現場の医療ニーズに合った情報活用が可能になることでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、

 

製薬企業と「リアルワールドデータ」の活用について、

 

さらっとですが、記載してみました。

 

 

 

 

ご参考までに。

 

 

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