田辺三菱社について

田辺三菱製薬さんの将来性について思うこと

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今回は、

 

田辺三菱製薬さんの将来性について思うこと、

 

を記載させて頂きます。

 

 

 

田辺三菱製薬さんは、

 

準大手~中堅規模の

 

売上高4000億円ほどの

 

内資系製薬会社です。

 

 

 

 

田辺三菱製薬さんといえば、

 

「タナトリル」、「ラジカット」、「ヘルベッサー」、

 

「ウルソ」が元々有名な製品ですね。

 

 

 

「タナトリル」、「ヘルベッサー」は循環器、

 

「ラジカット」は脳外科等、

 

「ウルソ」は、消化器や肝臓の

 

薬ですね。

 

 

 

 

「タナトリル」、「ヘルベッサー」は(旧)田辺製薬さん

 

「ラジカット」は(旧)三菱ウェルファーマさんの

 

自社開発品です。

 

 

 

(旧)田辺製薬さんと言えば、

 

「循環器の田辺」と言われるほど、

 

循環器に強いメーカーさんでした。

 

 

 

(旧)三菱ウェルファーマさんは、

 

「ラジカット」などユニークな製品を

 

開発することで有名な会社でした。

 

 

 

「ラジカット」は、

 

フリーラジカルという有害物質を

 

除去することで作用発現します。

 

 

フリーラジカル除去という

 

面白い作用機序で、

 

効果を発揮する薬剤は

 

この「ラジカット」くらいです。

 

 

 

そして、

 

田辺製薬さんと三菱ウェルファーマさんの

 

2社が合併し、

 

2007年、田辺三菱製薬株式会社になりました。

 

 

 

最近の田辺三菱製薬さんは、

 

関節リウマチ等の「レミケード」や「シンポニー」、

 

そして糖尿病治療薬「テネリア」や「カナグル」に

 

注力してプロモーションして

 

います。

 

 

 

他には、

 

抗アレルギー薬「タリオン」や抗うつ薬「レクサプロ」、

 

多発性硬化症治療薬「イムセラ」等が

 

最近力を入れている製品です。

 

 

 

「レミケード」や「シンポニー」は

 

ヤンセン社からの導入品ですが、

 

「テネリア」や「カナグル」は

 

田辺三菱さんの自社開発品です。

 

 

「タリオン」と「レクサプロ」は導入品、

 

「イムセラ」は自社開発品ですね。

 

 

 

 

「テネリア」は、DPP4阻害薬、

 

「カナグル」は、SGLT2阻害薬ですが、

 

この両剤とも田辺三菱さんの

 

自社開発品というのは、

 

凄いですね。

 

 

 

この糖尿病治療薬である、

 

DPP4阻害薬とSGLT2阻害薬の

 

2剤開発できたメーカーさんは、

 

世界でも田辺三菱さんとBMS社の

 

2社だけです。

 

 

 

BMS社は、

 

「オングリザ」(DPP4)と「フォシーガ」(SGLT2)を

 

開発しましたね。

 

 

日本での販売は、

 

別会社がしています。

 

 

 

また、

 

DPP4阻害薬で日本の開発品(日本製)は、

 

「テネリア」(田辺三菱社)と「スイニー」(三和社)の2剤

 

だけです。

 

 

 

田辺三菱さんと三和化学さんは

 

さすがですね。

 

 

 

同じDPP4阻害薬である、

 

「ジャヌビア(グラクティブ)」(MSD社)、「エクア」(ノバルティス社)、

 

「ネシーナ」(武田薬品の子会社開発)、「トラゼンタ」(ベーリンガー社)、

 

「オングリザ」(BMS社)の5製品は、

 

海外からの導入品です。

 

 

※上記の()は開発元会社を記載しています。

 

 

 

 

さらに、

 

SGLT2阻害薬を見てみますと、

 

日本の開発製品(日本製)は、

 

「スーグラ」(アステラス社/寿社)、「ルセフィ」(大正富山社)、

 

そして「カナグル」(田辺三菱社)の3社ですね。

 

 

※上記の()は開発元会社を記載しています。

 

 

 

他のSGLT2阻害薬である、

 

「フォシーガ」(BMS社)、「デベルザ(アプルウェイ)」(中外製薬社)、

 

「ジャディアンス」(ベーリンガー社)は海外からの導入品ですね。

 

 

※上記の()は開発元会社を記載しています。

 

 

 

ということで、

 

上手くDPP4阻害薬とSGLT2阻害薬の

 

自社開発に成功した田辺三菱さんですが、

 

売上はどうでしょうか。

 

 

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「テネリア」は発売して4年ほどで、

 

170億円ほど、

 

「カナグル」は発売して2年ほどで、

 

30億円ほど、です。

 

 

 

「カナグル」はこれからですが、

 

「テネリア」はそこそこの売上を上げていますね。

 

 

 

この2製品は田辺三菱さんの

 

自社開発品ですし、

 

売れば売るほど

 

利益が入ってきます。

 

 

自社開発品の利益はざっと、

 

7~8割です。

 

 

100億円売れたら、

 

70~80億円の利益ということです。

 

 

 

田辺三菱さんとしては、

 

久しぶりの自社開発品である、

 

「テネリア」と「カナグル」の

 

2製品で、一発当てたいところです。

 

 

 

ただこれらの製品は、

 

競合品が多すぎて、利益確保が

 

困難になりつつあります。

 

 

 

MRの方ならご存知の通り、

 

DPP4とSGLT2の市場は

 

現在、超激戦区です。

 

 

 

 

これらの薬は、

 

単に製品の数が多いだけでなく、

 

コプロや併売している製品も

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多いため、多くの製薬会社のMRが

 

プロモーションし、

 

さらに激戦区になっています。

 

 

 

 

加えて、

 

シビアなことを言わせて頂くと、

 

この激戦区の中で、

 

勝利を得る可能性が高い薬剤は、

 

 

DPP4阻害薬は、「トラゼンタ」(ベーリンガー社/リリー社)

 

SGLT2阻害薬は、「ジャディアンス」(ベーリンガー/リリー社)

 

 

です・・・。

 

 

 

現在は、

 

この2剤でほぼ勝利がついています。

 

 

 

今後、

 

新たなエビデンスが出れば別ですが、

 

現状のDPP4市場とSGLT2市場を

 

制覇する可能性が高い薬剤は、

 

「トラゼンタ」と「ジャディアンス」です。

 

 

 

私は、

 

特別この2剤に肩入れしているわけではなく、

 

また、ベーリンガー社やリリー社のMRでも

 

ありませんが、この事実は揺るぎなく

 

なっています。

 

 

 

「トラゼンタ」は売上を見てもわかりますが、

 

急成長中です。

 

 

その理由は、使いやすいからです。

 

特に、腎機能障害のある方に使用しやすい

 

からです。

 

 

 

他のDPP4阻害薬は、

 

腎機能障害のある患者様に

 

使用する際には、

 

使用注意だったり、減量したりと、

 

いくつか規制があり、

 

腎機能が低下傾向の患者様に

 

使用しくにいのです。

 

 

 

腎機能が低下している患者さんって、

 

そんなにいるの?

 

と思うかもしれませんが、

 

結構います。

 

 

特に、高齢者は腎機能が低下しやすく、

 

使用には注意が必要なのです。

 

 

 

また、

 

SGLT2阻害薬の「ジャディアンス」は、

 

大規模臨床試験の結果が

 

発表され、

 

心血管イベントを有意に抑制することが

 

明らかになりました。

 

 

これは、SGLT2の中で、唯一の

 

心血管抑制のエビデンスがある薬剤になります。

 

 

そのため、

 

今後、シェア拡大する可能性が非常に高いです。

 

 

 

現状のエビデンスでは、

 

今後、この2剤に統一されていく

 

可能性が非常に高いです。

 

 

新たなエビデンスがでれば

 

話は別ですが・・・。

 

 

 

ということで、

 

話を戻しますと、

 

田辺三菱さんが開発し販売している

 

糖尿病治療薬であるDPP4「テネリア」と

 

SGLT2「カナグル」は、今後、

 

窮地に立たされる可能性があります。

 

 

 

その理由は、上記で述べた通り、

 

DPP4阻害薬は、

 

腎機能低下傾向の患者様に使用しやすい、

 

「トラゼンタ」が有利であり、

 

SGLT2阻害薬は、

 

SGLT2の中で唯一、

 

心血管イベント抑制のエビデンスが出た、

 

「ジャディアンス」が有利な状況

 

だからです。

 

 

 

田辺三菱製薬さんの

 

一番の主力製品である「レミケード」は

 

700億円ほどが売上のピークで、

 

今後売上が下がっていく一方であり、

 

「シンポニー」も190億円ほどの売上は

 

ありますが関節リウマチ領域も激戦区であり、

 

かといって、抗アレルギー薬「タリオン」や

 

抗うつ薬「レクサプロ」、循環器の「メインテート」や

 

その他のオーファンドラッグやワクチンが

 

爆発的な売上を上げられるわけでは

 

ありません。

 

 

 

レミケード以外の主力製品の売上は

 

少しずつですが、伸びていますので、

 

順調に売上を上げている関節リウマチの「シンポニー」、

 

新薬である糖尿病治療薬の「テネリア」や「カナグル」、

 

抗うつ薬「レクサプロ」等の

 

今後の主力製品になりえる製品の売上を

 

どれだけ伸ばせるかが

 

今後の田辺三菱さんの将来性を

 

左右する鍵となりそうです。

 

 

 

今後、上市予定の開発品は

 

中枢神経系領域や自己免疫疾患領域の

 

製品がいくつかありますが、

 

上市できた場合、どこまで売上が上げられるか、

 

不透明な部分も多いです。

 

 

 

海外に導出している製品を見てみますと、

 

「カナグル」や「イムセラ」は

 

両剤合わせてロイヤリティが

 

600億円ほどありますが、

 

今の売上高4000円を維持し、

 

さらに売上を上げるためには、

 

2製品だけでなく、もう2製品ほど

 

導出品を増やしたいところです。

 

 

 

また、SGLT2の「カナグル」は、

 

「ジャディアンス」の心血管イベント抑制エビデンスにより、

 

海外でも売上が伸びなやむ可能性が高いです。

 

 

 

今後、海外や日本でも田辺三菱製薬さんは

 

厳しい戦いになる可能性がありますが、

 

かつての「タナトリル」や「ラジカット」、

 

現在の「テネリア」や「カナグル」を自社開発した

 

力を存分に発揮して、

 

さらなる新薬上市に向けて、

 

突き進んでほしいと強く願っています。

 

 

 

私は日本人なので、

 

日本の製薬会社に頑張ってほしいと

 

いつも思っています。

 

 

 

ぜひ日本発の新薬をどんどん世界に

 

広めてほしいです。

 

 

 

田辺三菱さんならそれができる

 

と信じています。

 

 

 

外資系企業で働く私が言っても

 

説得力がありませんが・・・。

 

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コメント

    • 某内資系MR
    • 2017年 2月 18日

    さっそく見解をお示しいただき、誠にありがとうございます。
    私もほぼ同意見ですね。昨年の決算は過去最高の利益だったそうで、かなりの好調ぶりが見えましたが、その一方で大規模な早期退職(リストラ)を敢行したりと、体力のある内に冬の時代に備えようというのが垣間見えました。
    製品に関しても、多領域に渡って魅力的なラインナップが揃ってると思うんですよね。小児用ワクチンも取り扱ってるし、ワクチンを販売できるのはそれこそ限られたメーカーだけだし、社会貢献の高い分野は羨ましいなーと個人的には思ってました。
    糖尿領域に関しては、カナグルは今年に発表される大規模臨床試験の結果が転機な感じがします。それまでに口座の確保と、基幹病院での採用をしておけるかがカギになるかと。エビデンスのある薬剤が重視されるのは当然なので、ジャディアンスが伸びてるのは必然ですね。
    テネリアに関しては個人的にDPP4の中では一番優れている薬剤だと思ってて、トラゼンタと同様に腎機能関係なしで使えるし、なおかつ効果も強いと評判(トラゼンタは弱いと言われてますよね)です。田辺三菱と第一三共がコプロしてる販売力もあってか、後追いの製品にも関わらず伸びが凄いですよね。今年は300億ほどの計画だと聞きました。
    ただ、とにかく発売が遅かったので特性が似ているトラゼンタの後塵を喫している感が強いですね。
    ともにもっと早く発売できなかったのかな~と本当に思います。あと1年と言わずも、半年だけでも早く世に出ていれば、今の市場は全然違うものになっていたと思いますけど…。私も国産企業には頑張ってほしい気持ちが強いので、是非とも躍進を期待しています。

  1. 某内資系MRさん
    早速のコメント有難うございます。
    いつも有難うございます。
    おっしゃる通り、この激戦区領域の薬剤は、早く発売した薬剤がかなり有利になるケースが多く、実際、`DPP4の中で一番最初に発売したシタグリプチンに関しても、DPP4の中でトップの売上をキープしつづけていますからね。
    ただ、最近、現場でよく見かけるのが、シタグリプチンからトラゼンタへの切り替えです。その結果が売上にも反映されており、DPP4の中で凄い勢いでトラゼンタが伸びています。
    テネリアも順調に伸びてきていますが、ご指摘頂いた通り、トラゼンタの後塵を喫している状況がうかがえますね・・・。
    トラゼンタは使いやすい薬剤である一方で、効果に関しては、他剤の方が良いというお話をよく耳にします。
    SGLT2に関しては、本当に今後のエビデンス次第ですよね。
    現段階では、大規模臨床試験の結果、心血管イベント抑制効果が認められた「ジャディアンス」が一歩有利ですが、今後、他剤にて、さらに良い結果のエビデンスが発表されれば、状況はまた変わって来ますよね。
    田辺三菱さんは、今後、自社開発品の新薬であるDPP4の「テネリア」とSGLT2の「カナグル」を、どれだけ売上られるかがキーとなりそうです。
    「レミケード」や「シンポニー」、「レクサプロ」等も良い製品ですが、自社開発品ではないので、どうしても利益が限られてしまいます。
    上市予定の開発品もいくつかありますが、現時点では、
    「テネリア」や「カナグル」を筆頭に、「シンポニー」「レクサプロ」等、どれだけ売上を上げられるかが、田辺三菱さんの利益に大きく関与しそうです。
    最近は、外資系製薬会社の新薬上市が目立つので、
    国内製薬会社の新薬上市ももっと目立ってほしいですね。
    ヒロ

    • 某内資系MR
    • 2017年 2月 19日

    本当、いかにテネリアとカナグルを最大化できるかが向こう10年のカギな感じですよね(配合剤も今年中に出る模様ですし)。ただ、本当にこの領域は競争・供給過多の状況なので、相当インパクトのあるデータ、ドラッグエフェクトでない限り突き抜けるのは至難の業ですね…。
    さらに言うと、第一三共とコプロしてるので、当然ながら利益も折半しているでしょうから、いくら自社開発品と言えども、数量を捌かない限り厳しいかなと(それでも導入品よりずっとマシでしょうけど)
    バイオに関しては、レミケードのパテントが切れている以上、国がシミラー普及に本気になれば太刀打ちできないのが実情ですし、シンポニーをいかに最大化できるかですね(田辺三菱のMRさんも、シンポニーが非常に大変だと漏らしてました)。
    最近、ステラーラのクローンもコプロするとリリースされてましたし、バイオに関してはパイプラインの豊富なヤンセン社と強い関係を構築できるように必死な感がありますね。
    レクサプロは確か、海外から持田が導入してるのをさらにコプロしてるから、薬価は高くても利益的には薄利多売状態でしょうね。
    これからのパイプラインの関係でやってる意味合いもあるのかな?

  2. 某内資系MRさん
    田辺三菱さんの新薬である「テネリア」「カナグル」「シンポニー」は、糖尿病と自己免疫疾患という超激戦区領域の新薬ですから、本当に厳しい戦いですね・・・。
    ただ、現場のMRとしては、しばらくは、これらの新薬をメインに売り続けるしかなく、今後発売される「テネリア」と「カナグル」の合剤も、この2製品の売上がそれなりにない状況ですと、さらに厳しい戦いになりそうです。
    実際、武田さんやMSDさんのDPP4の合剤も既存DPP4から、合剤に切り替えている現状がありますね。
    田辺三菱さんに関わらず、どの製薬会社もそれなりに競合品がありますので、田辺三菱さんに限定したことではありませんが、特に、田辺三菱さんは、本当に競合が激しい領域の新薬を現在メインで扱っていますから、現場の田辺三菱MRさんの苦労お察しします・・・。
    「レミケード」が国内で700億ほど売れ、ここ数年の田辺三菱さんの売上の核になりましたが、今後、この「レミケード」に続くような製品を育てることが目下の田辺三菱さんの課題となりそうです。
    「テネリア」「カナグル」「シンポニー」等が「レミケード」に続く製品になりえるか、今後に注目ですね。
    「レクサプロ」は、おっしゃる通り、海外から持田さんんが導入し、さらにコプロしていますから、利益がある程度、限られると考えられます。ただ田辺三菱さんの自社開発の統合失調症治療薬や抗うつ薬を海外へ導入したり、海外から導入している製品がこの分野でありますので、今後の新薬上市に向けての下地作りかもしれませんね。
    ヒロ

    • ローガン
    • 2017年 4月 13日

    いやいやテネリアも使いやすいやん。
    トラゼンタより効果良いし、増量できるし。
    あんまり知らなかったけど、この前MRから聞いて調べたら、本当だった。
    最近はずっとテネリア。べーリンガーのかわいい姉ちゃん訪問来なくなったしね。

  3. ローガン様
    コメント頂き有難うございます。
    おっしゃる通り「テネリア」はトラゼンタより効果が良く、他のDPP4と異なり消失経路が、肝代謝・胆汁排泄が2/3、腎排泄が1/3ですので、腎機能障害のある患者様にも用量調節不要で増量もしやすいため、良い薬剤であると言われておりますね。
    一方、「トラゼンタ」は消失経路が、胆汁排泄であり、肝代謝や腎排泄の影響を受けず、腎機能障害や肝機能障害のある患者様にも使いやすいことが知られております。ただし、効果は他のDPP4と比べてマイルドである、と言われております。
    ベーリンガーさんのMRさんにも頑張って頂きたいところです。
    今後とも宜しくお願い申し上げます。
    ヒロ

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